タイトル:みつい

弘法大師空海

空海(弘法大師)

真言宗とは

弘法大師空海(お大師さま)によって開かれた教えでございます。お大師さまの教えは、一般的に真言密教(しんごんみっきょう)と呼ばれています。密教とは秘密の教えということであって、顕教(けんぎょう=あきらかな教え)という言葉に対比して使われています。

  身・口・意の三密(さんみつ)の瑜伽(ゆが)を基盤とした成仏の方法を具体的に説いたもので、行者の手に印契(いんげい)を結ぶ身密、口に真言・陀羅尼を唱える口密、心を三摩地(さんまじ=精神が統一された状態。三昧(さんまい)ともいう)に置く意密、この三種の秘密を一体化させるのが三密相応の瑜伽行です。瑜伽、つまりヨーガは、二つのものを一つにすることとも言え、有限なる自身の中に無限なる大日如来(だいにちにょらい)の生命を見出すことなのです。

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即身成仏

即身(そくしん)とは「ただちに、すみやかに、この身のまま」を意味します。現実に存在する行者の身体そのものは成仏に至る基本的な素材なのであり、行者は本来的に仏性を備えており、それを覚ることが肝要となります。時間を超越しているから「即」、肉身を基本とするから「身」。つまり、この身のまま覚りに到ることが「即身成仏」なのです。

 お大師さまは「真言は不思議なり、観誦(かんじゅ)すれば無明(むみょう)を除く。一字に千理を含み、即身に法如と証す」と、『般若心経秘鍵(はんにゃしんぎょうひけん)』に述べられています。 即身成仏に至るまでに必要なことが身・口・意の三密(さんみつ)の瑜伽(ゆが)を基盤とした成仏の方法といわれています。

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行 護摩供養について

密教の基本的修行に、「四度加行(しどけぎょう)」というのがあります。真言密教の最高の秘法を受ける儀式「伝法灌頂(でんぽうかんじょう)」に入壇(にゅうだん)する前提の修行で、十八道(じゅうはちどう)・金剛界(こんごうかい)・胎蔵界(たいぞうかい)・護摩(ごま)の四種の修法のことです。これはお大師さまが師の恵果阿闍梨の教えに従って定めたものである。

 護摩法はその一つで、「護摩」とは、サンスクリット語の「ホーマ」を音訳して書き写したものです。もともとインドでは、紀元前2000年頃にできたヴェーダ聖典に出ているバラモン教の儀礼で、紀元前後5世紀ごろに仏教化したといわれています。炉に細く切った薪木を入れて燃やし、炉中に種々の供物を投げ入れ、火の神が煙とともに供物を天上に運び、天の恩寵にあずかろうとする素朴な信仰から生まれたものです。  火の中を清浄の場として仏を観想し、護摩壇に火を点じ、火中に供物を投じ、ついで護摩木を投じて祈願します。